• Author一志治夫
  • Publisher小学館
  • ISBN9784094700091
  • Publish Date2016年9月

幸福な食堂車 / 九州新幹線のデザイナー水戸岡鋭治の物語

九州の鉄道を変貌させたデザイナーの物語

1990年代以降、JR九州の各路線には個性的な列車が誕生してきた。精悍な“顔つき”で多くのファンをつくった特急「つばめ」(787系)、遊び心に満ちた色彩で親しまれた「ソニック」(883系)、和の素材、伝統、意匠を取り入れた九州新幹線「つばめ」(800系)……。本書は、これらのデザインを手がけたデザイナー水戸岡鋭治氏を描いたノンフィクション作品である。 水戸岡氏は高校卒業後、デザイン事務所での修行を経て1972年に「ドーンデザイン研究所」を設立。不動産広告のパース画や、家具・建物のデザインを手がけていた。 1988年のJR九州「アクアエクスプレス」のデザイン以降、特急、九州新幹線などの車両や、駅舎、街づくりなどのデザインを通じて、九州各地の活性化に貢献。 「金がかかるばかりで儲からない」と全国の路線から食堂車が消え去りゆく中、「乗客のための空間・広場であって、公共の乗り物の中にあってもいい」という発想で、食堂車をいまの時代に合ったスタイルで蘇らせた。 鉄道デザイン王国・九州を生み出した、水戸岡鋭治の「気」と「志」のすべてがここにある!

【編集担当からのおすすめ情報】 なぜ九州の列車は、他の鉄道にないオリジナリティがあるのでしょうか? ローカル線から特急、九州新幹線まで、唯一無二の車両群や駅舎などのデザインを手がけたデザイナー・水戸岡鋭治氏とは、いったいどのような人物なのでしょうか? 建築物のパース画の分野で一目置かれる存在だった水戸岡氏は、博多の「海の中道ホテル」のアートディレクションをきっかけに、JR九州での車両デザインの仕事を手がけていきます。 困難にぶつかっても、決して妥協することなく、ひとつひとつ最善の手を探っていく。「志」の高さに触発されて、かかわる人の心が揺り動かされながら、ゴールへ邁進する男の挑戦と熱意の記録です。

>> 続きを表示