仏教美術の精髄を、新規撮影を中心に紹介
日本仏教の源である法隆寺金堂内陣にて新規撮影を敢行。釈迦三尊像、薬師如来像や両脇侍が加わった阿弥陀三尊像が座し、天蓋や台座も修復を終えた法隆寺金堂内陣の新たな美に見(まみ)えます。さらに金堂、五重塔など国宝の伽藍建築12棟も撮り下ろししたほか、最新の写真を数多く収載しました。そして法隆寺と対峙した、昭和史に名を残す写真家・土門拳、入江泰吉、小川晴暘・光三父子の名撮影も掲載。日本美術の源流ともいえる法隆寺の、いまだかつてない新しい姿が、寺内を歩くように構成されています。
法隆寺以外にも、薬師寺、飛鳥寺ほか飛鳥、奈良の寺院をめぐるとともに、日本各地に伝播した、この時代の仏教美術作品も網羅。日本仏教美術・黎明期の真髄を、およそ200点に及ぶ鮮明なカラー写真と、最新の研究成果を反映した論考とコラム、そして詳細な図版解説で紹介します。
【編集担当からのおすすめ情報】
法隆寺金堂内陣は、普段は大変暗い上に太い円柱に加え、金網が廻らされており、その詳細はなかなか見ることができません。今までに撮影された写真も鮮明さということでは満足のゆくものではありませんでした。今回は最新の撮影技術により、南面(正面)のみならず、北面(背面)からも撮影。その結果、全く見たことがない写真を目の当たりにすることになりました。仏像の質感と量感、豊かな色彩に感嘆し、感動をおぼえる一冊となっています。