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  • Author辻惟雄 泉武夫 山下裕二
  • Publisher小学館
  • ISBN9784096011102
  • Publish Date2013年6月

日本美術全集 第10巻(桃山時代)

天下人が生んだ金碧の荘厳と掌の美に酔う
織田信長と豊臣秀吉が覇権を握った半世紀にも満たない時代に華開いた桃山美術。この時代の美術には、平安や室町時代とは全く趣きを異にした日本美術史上でも特異な様相が凝縮されています。二人の天下人が、その身を、その居場所を、その力を「飾る」ために造型していったもの――。まず城郭建築があります。国宝を中心とした5城を紹介。そして、その中を飾る障屏画を任されたのは、日本最大の絵師集団を構築した狩野永徳と、直木賞でも話題の長谷川等伯。城郭に使われた金碧は、障屏画にもふんだんに使用されました。
絵画の到達を観る一方、この時代は、千利休により侘び茶が確立され、その造型が洗練を極め、多くの茶道具や茶室が作られました。今回は、この造型を美術史と茶の湯の観点から考え構成。武者小路千家の千宗屋氏が参画して、国宝の茶室・待庵にて茶道具を設えて新規撮影。さらに「黄金の茶室」にて、新たに見いだされた黄金の茶碗を据えて撮影しました。
「黄金とわび」の有り様を新たに見せるこの1冊は、他にも染織、漆工、南蛮美術から刀剣、変わり兜などの武具も含め、約200点のカラー図版を収載し、桃山時代の美が網羅されています。

【編集担当からのおすすめ情報】
国宝の茶室「待庵」にて、千宗屋氏が、利休と秀吉が、ここで対峙したであろう場面に思いを馳せ、茶道具を設えて新規撮影。これを引きだしの観音ページ8ページで紹介。もう一方の引きだし8ページは、直木賞で話題の長谷川等伯が描いた、日本絵画史上最高傑作ともいわれる「松林図」で構成しています。
その他にも、最新の修復技術を反映した最新の図版を可能な限り使用、今までの美術全集とは美しさも別次元となっています。

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