日本美術全集として初めて「戦争画」を集成
日本美術全集として初めて、「戦争画」を中心に、1931年の柳条湖事件、1937年の日中戦争勃発から1941年の太平洋戦争への展開、1945年の終結までに関連した美術作品を集成。単なる歴史資料としてではなく、また特定のイデオロギーにとらわれることもなく、あくまでも美術作品としての美術史上の意義と価値、戦後美術への影響を、最新の研究成果に基づき検証・考察します。
同時に、ヨーロッパ前衛美術・思想の強い影響の下、1920年代後半から30年代にかけての都市・大衆消費文化の発展を背景として隆盛した近代美術の展開。日本人芸術家のヨーロッパおよび南北アメリカ大陸での活動など、日本美術のグローバルな広がりにも注目。さらに、反戦美術やプロレタリア美術、新しいメディアの発達、関東大震災以降の都市の近代化、ベトナムやインドネシア、タイなど東南アジア諸国の美術との関係なども含め、短いながらも劇的で多層的・多面的な時代の美術の実態を浮き彫りにします。
およそ50年ぶりにロシアで「再発見」されたプロレタリア絵画6点を新規撮影・掲載。