「人生の面白さは65歳を過ぎてからわかるようになった」。遅咲きの漫画家は語る。窮亡生活を経て40歳を過ぎて世に出た後、いまや並ぶ者のない、幅広い人気を得た水木しげる。水木を妖怪の世界に導いた"のんのんばあ"の出自、戦地ラバウルでの死と隣り合わせの体験、人生を謳歌したゲーテへの敬愛、手塚治虫との知られざるエピソード。正体不明の巨匠の素顔に迫る決定版評伝。