生涯の恋に破れ、陰惨なまなざしのままアメリカに渡った東太郎。再び日本に現れた時には大富豪となっていた彼の出現で、よう子の、そして三枝家の、絵のように美しく完結した平穏な日々が少しずつひずんで行く。その様を淡々と語る冨美子との邂逅も、祐介にとってはもはや運命だったような…。数十年にわたる想いが帰結する、悲劇の日。静かで深い感動が心を満たす超恋愛小説。