人の苦痛が一ト時の慰めを求めて手を伸ばすもの、それが文学。毒蛇になって人に咬みつくもの、それが作家。「文学の魔」に憑かれた著者が自らの読書遍歴を披瀝、作品百篇を取り上げその魅力を縦横無尽に語る。近代日本ベスト・スリーは「明暗」「流れる」「楢山節考」。そして青春小説、伝記小説、エロ小説の傑作とは?反時代的小説作家による文学の秘密と毒に満ちた危険な読書案内。