透き通った水に魚が跳ね、柔らかな風が川岸の葉を揺らす。子どもたちは橋から川に身を踊らせ、主婦が川端で野菜を洗う。ほんの二十年前、日本中で当たり前のように見られたそんな光景は今、どこへいってしまったのだろう。もう一度あの川へ、もう一度あの風景へ帰れないものか…日本の川を心から愛し、慈しみ、怒り、嘆く著者が語る失われゆく川へのレクイエム。