大正12年の関東大震災は、遠く離れた"小森"の人々をも混乱に巻き込んだ。東京にいたはるえは、朝鮮出身の夫と子供を奪われ、捨てたはずの故郷にたどりつく。孝二は恩人の安否を気づかい上京する…。奈良盆地の貧しい小村にも、社会の動きはひたひたと迫っていた。米問屋の婿養子となり、大阪で地歩を固める誠太郎。ひとりで生きるために、東京での勉学を決意するまちえ。まちえへの思いを胸に"小森"で闘いぬくことを誓う孝二。境遇と闘い、切ない愛に心ふるわせて、孝二も和一も、そしてまちえも、光りながら、輝きながら、明日へ向かって歩いてゆく-。