内蔵助と主税が桜なら、大三郎と私はその華やぎの影に咲く野の花でございます。運命による悲劇も喜劇もみな、どうしようもない人間の営みなのです-。「内蔵助の遺児」の重荷に耐えきれなかった息子とともに終生、忠臣の妻として生きた女の波瀾にみちた生涯。華々しい「忠臣蔵」後のもう一つの人間ドラマ。