夫に、そして息子に先立たれ、雪深い里で黙々と機を織る老女の幸せとは。歌舞伎座に現れた「藤娘」の幽霊の思いとは。「唐子」の着物を誉めてくれた、美しい混血男性を襲う悲劇とは-。作る者、着る者、それぞれの人生が織り込まれる「着物」。時に哀しく、時に数奇な、着物をめぐる色とりどりの物語。