江戸時代の身分制度に端を発する部落差別は現代社会になお根を張り、結婚や地域の付き合い、教育、就職など生活のあらゆる場面で、言いようのない悲しみと怒りを生みだしている。本書は長野県に散在する被差別部落に焦点をあて、15年にまたがる丹念な取材を通じて、生々しい差別の実態と人々の息づかいを伝え、部落解放を世に訴える。