絹屋半兵衛が興した「湖東焼」は、職人の技術向上で素晴らしい器が焼きあがる。しかし販売ルートを牛耳る有田・瀬戸の巨大ブランドが大きな壁に。さらに融資の見返りに窯を藩に召上げられ…。幕末のベンチヤー・ビジネスは時代の荒波に翻弄される。現代日本にも通じる商売の駆け引きをダイナミックに描き出す、著者入魂の人間ドラマ。