これまで、政治過程において参議院が果たす役割について、二つの見方が対立してきた。一つは、「強い参議院」論と呼ばれ、参議院に大きな役割を認める。もう二つは、「カーボンコピー」論と呼ばれ、参議院の役割を限定して捉える。本書はこの対立に決着をつける。このため、参議院が創設された一九四七年から政権交代直後の二〇一〇年にいたるまでの期間に日本の政治過程において、参議院が果たしてきた役割を辿る。そして、参議院とは何か、明らかにする。