誰の心の奥底にもある、残忍性と禁断-。それは理性の力でどんなに蓋をしようとしても、隙間から漏れ出し、生き延びてしまう…。『日本昔ばなし』の中の子殺しや子捨て、山姥の子ども食いの話、そして奔放な性の匂い…表立って語るのがはばかれるような人間の暗い面を炙り出す話には、『グリム童話』同様、人間の深層心理として世界に共通する面があります。日本の風土にじっとりとしみ込んだ人間の本性の恐ろしさと巧みな知恵、その豊かな「泉」を心ゆくまで堪能してください。