かつて陸奥にとてつもなく強いラグビーチームがあった。北海道や東北の無名の高校出身者を鍛え上げ、最先端の理論をいち早く取り入れた地域の古豪だった。そして1976年、明治大学で活躍した天才・松尾雄治が加わり、日本選手権で7連覇を成し遂げる常勝軍団となる-。本書は、当時の選手、相手チームなど80人近い関係者を取材し、どのようにして「栄光の7年」を獲得したのか、また松尾が去ったのち、なぜ敗れたのかを追うノンフィクションである。ここには、釜石という風土、学歴という文化の差、製鉄所内での仕事との両立、それらを乗り越える"勝利"が描かれている。