傷心のOLがいた。秘密を抱えた男がいた。異国の者が、単身赴任者が、居候が、苦学生が、ここにいた。そして全員が去った。それぞれの跡形を残して…。読む者の心をやさしくゆさぶる、長嶋有面目躍如の会心作。〈受賞情報〉谷崎潤一郎賞(第52回)