イタリアに生れ、フェルミと共に新興物理学のリーダー役を果たした著者は、若くして自然の秘密を実験で明かすことにあこがれ、宇宙線、高エネルギー物理学、地球周辺プラズマ空間、X線天文学のパイオニアとして活躍してきた。戦時中は亡命先の米国で原爆製造にかかわる。「実験によって自然が想像を絶する姿をかいま見せるとき最も興奮する」という実験家の真髄が語られる。付録で夫人が綴る著者の素顔は、本文に彩りを添える。