四億年前、エビやカニと共通の祖先から分かれて上陸した昆虫の祖先は、体節を機能別に特殊化させながら進化を遂げてきた。翅の獲得と発達は移動能力を飛躍的に増大して棲息環境の選択を可能にし、一方、多様な食物を求めて口器の構造を変化させた。今や地上至る所に分布し、一千万種を超えるといわれる。本書は固有の形態を完成させた現生昆虫のすべての目をその系統関係から見渡そうとする試みである。カラー口絵、精細図版付載。