メキシコとの直接通商交渉を名目に伊達政宗により派遣された慶長遣欧使節には、スペインとの同盟締結という裏の使命が秘められていた。だが、訪問先の対応は、キリスト教弾圧国からの厄介者の扱いだった。使命を果すべく七年余に及ぶ異郷での辛苦に耐えた、支倉らの努力も実ることはなかった。帰国後もキリシタン禁令の下で、報いられることなく悲惨な逼塞を強いられた遣欧使節とは何だったのか。支倉常長の生涯に真相を探る。