政治不信の高まりとともに不死鳥のように甦る首相公選論は、国民の関心の一時的消長を超え、日本政治の問題点を知るために格好の素材を提供するものといえる。小泉首相が設けた「懇談会」は三つの制度提案を行ったが、本書は、それらを設計した委員たちの論考を柱とする。政治の現状を見据えた具体的な考察は、日本の統治システムを考えるうえに資するところ大きいだろう。巻末に、報告書全文並びに関係憲法条文を付す。