徳川幕府の方針が鎖国から開国に変わり、修好通商条約の批准書交換の使節団が太平洋を渡って以来、命がけの洋行が行なわれるようになる。初めは、国づくりの重点課題を学ぶための公費による渡洋ばかりだったが、徐々に目的が多様化し、私費による遊学、あるいは旅行や放浪も増えていった。本書は、約一〇〇年の間に、日本から外国への学びの旅が、どのように変化していったのかを、文化人の事例を中心に辿るものである。