ドイツ文学者である筆者が、ケルンの日本文化会館館長の体験を交え、日独文化の実態を説く。映画「寅さん」の上映による日本的発想の紹介や、在職三年間に百五十回にのぼった講演など、文化交流に奔走した日々をいきいきと描写。また、幕府により初めてヨーロッパに派遣された文久遣欧使節の足跡をたどり、知られざる国際交流の歴史を明かす。日本とドイツをめぐる興味深い交流の記録と提言。