関東大震災の復興官庁は、政治に翻弄された-。「百鬼夜行」といわれるなか、疑獄事件が発生した経緯を描き、あわせて、大震災以後の日本にあらわれた社会意識の変化を、谷崎潤一郎、江戸川乱歩、夢野久作、西條八十、大宅壮一らの著作を通じて追う本書は、大震災と日本人について、歴史的視座からその深奥をとらえる。