絵画における・近代・は、通常、印象派とともに始まる、といわれる。しかし、印象派の・革命・をもたらした要因がロマン主義の運動にあるとすれば、広い意味でのロマン主義に始まる大きな歴史の流れの中で、近代絵画は理解される必要がある。このような立場から十九世紀前半から第二次大戦にいたるおよそ一五〇年間の西欧絵画を概観した、読める通史である。本巻は近代絵画の先駆者ゴヤからボナールに代表されるナビ派まで。