ぼくは実にしばしば正気に立ちかえる。今の状態は、現実なのか、己れの紡ぎ出した妄想の中にいるのではないか…。一九九八年から九九年末にかけての「日記」という形で綴られた、嘘の中の真実、虚実の別なき、妄想-。究極の「私小説」。