人はなぜ本を読むのか。時を忘れて読みふけった思い出や、長大な作品を意地になって読み通した経験は誰にでもあるだろう。まったく歯が立たない本、価値観や存在を揺さぶられるような危険な書物も、読書体験には欠かせない。著者が成長していく時代、書物は、まばゆい、あるいは妖しい光を放っていた。書物への感謝に満ちた、赤裸な読書体験記。