洋酒喫茶のカクテルで味を覚えた三十代、夫との夜ごとの晩酌で酒量を上げた四十代、五十の声を聞いてすこし矛先が鈍り、八十を超えた今は、ゆっくりと夜の一杯を傾ける…。四十余年にわたる酒とのつき合いのなかでうつろいゆく、酒の好みや酒肴のこと、そして酒の上でのできごと。単行本未収録エッセイを多数収めた文庫オリジナル。