カトリック神父と芸者との美しい魂の邂逅をえがく表題作のほかに、「海鳴り」「とろろ昆布」「蚊と蝶」「人形浄瑠璃」の四篇を収める。新しいものと古いものが入り交じる時代に、人間の美しさとは何かをみずみずしい感性で問うた初期短篇集。