若き日のフランス滞在で磨きをかけた食の感性、そして美味なるものへの飽くなき探求心。美食の日々を経て「食の神髄は惣菜にあり」との境地へ至り、日常の中の美味に注ぐ情熱はますます旺盛となる。文士や画家との交友など、著者の人柄がにじむエピソードも交えた、食味随筆の傑作。