• Author藤沢周平
  • Publisher文藝春秋
  • ISBN9784167192150
  • Publish Date1986年3月

暁のひかり

朝の清々しい光のなかを娘は竹竿に縋って歩いてゆく。一心不乱、黒い眸を活きいき輝かせ歩く稽古をしているのだ。それは疲労しきった男の胸に沁みた。男の身体は賭場の匂いに濃くつつまれている。博徒の孤独な心象を鮮やかにえがく表題秀作のほか、人足、荒くれなど、巷のはぐれ者たちの哀切な息づかいを端正に捉えた短篇名品集。

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