本書は理工学の広い分野で威力を発揮するFourier・Laplace解析の基礎を工学系の学部生が実際の問題に使える道具として会得することを目標とし,微積分と複素解析論の基本的な知識を背景に解説している。Fourier解析は複雑な周期関数や非周期関数を簡便に記述・解析することが可能となるため、数学の一大分野をなすまでに発展し、物理学に限らず理工学のほとんどの分野で欠かすことのできない数学的なツールとなっている。一方、Laplace解析は、Fourier解析に現れるFourier変換の発展ともいえるLaplace変換にもとづく解析体系である。特に時間発展など実用面における有用性が重視されて発展し、電気工学や制御工学などをはじめとする理工学の広い分野で重要な解析ツールとなっている。