1980年代および1990年代を通ずる制度改革によって、各国の社会保障制度は大きく変貌を遂げた。福祉国家の再構築は世界的な広がりの下で、多様にかつ急速に進行している。情報化社会とはいえ、社会保障の個別領域における制度の断片的知識を超えて、その全貌について正確な知識を得ることは必ずしも容易ではない。本シリーズは、社会保障制度の研究者および政策立案者にとって必要な基礎的情報を体系的な形で提供したものである。本巻では日本にとってのドイツ社会保障政策の意義という視点が通奏低音となっている。