エジプト人を根底から支える宗教共同体や人間の平等観など、イスラームを理念としてでなく、民衆の生活実態から理解し、アラブの盟主として、西洋の模倣でない独自の近代化をとげようとする困難な歩みを、政治・経済から見つめて、エジプトの伝統と現代、ポスト・モダンの可能性を、文明として総合的に捉え直す。著者はエジプトに長期滞在し、人々の中に現実に生きるイスラームを研究する第1人者。