赤ちゃんを持った喜びと、育児への不安にゆれる親たち。少子化時代といわれ、出産と子育てへの関心が高まっている。新しく親になった人たちは、あふれる育児情報のなかで模索している。母乳がよいのか、人工栄養の利点は何か。離乳食はいつ始めればよいか。添い寝をしたりおんぶすることは、スキンシップの第一歩なのか。子どもを育てる親たちが出会うさまざまな疑問に、育児書はどう答えているのか。育児書が助言する子育ての方法は、何を目的としたものなのか。本書は、日・米・英・仏・中の育児書を比較分析し、子どもと親たちを取りまく"文化"の差異やその背景となる"社会"と"時代"をとらえ、個人的問題としてではなく、社会的行為としての子育てを考える。