世界的問題としての「中東和平」は混沌のなかにある。聖地エルサレムをめぐる抗争が激化している。解決への光明は、見出されるのだろうか。西欧文明と対峙するイスラームという文明の姿はいまだヴェールの向こうにあるようだ。著者は、数年にわたるエジプト・サウディアラビア・スーダンでの人類学的調査を経て、「イスラーム的なるもの」とは何かを問う。21世紀の世界新潮流は、イスラーム抜きには語れない。