熱帯の海から極海まで数千キロを一気に移動し、海の表層だけではなく、光の届かない深海までを縦横無尽に泳ぎまわることのできるクジラ。彼らの生態を探り、その回遊能力の謎に迫ることで海の知られざる一面が見えてくる。海に秘められた巨大なエネルギー、波。そのエネルギーは、陸を呑みこむ大津波となり、ながい地球史のなかでは時として生命に壊滅的な打撃を与えるとともに、一方では海水中の栄養分をかくはんして命を育んでもいる。波のもつ創造と破壊のメカニズムを探る。