只管打坐の坐禅を第一の修行とした道元の仏法。普く人々に坐禅を勧め、禅の真髄を説いたが、その修行は決して悟りを求めるものではなかった。無所得・無所求・無所悟を強調し、仏法をことばで語ることに力を注いだ道元の思想とは何であったのか。『正法眼蔵』『普勧坐禅儀』など、幾多の著作の中で繰り広げられている洗練されたことばから、その深遠な教えを紐解いていく。