科学を「ものを知るための一つの方法」と定義するグールドは、理論と事実の危うい関係をつぶさに検証してゆく。下巻では、進化論以前の科学者たちが構築した「科学的な」白人優位の序列を鮮やかに解体する一方で、恐竜大絶滅についての優れた仮説がもたらす成果を説く。事物の細部に目を光らせる研究者として、良質な知的興奮を提供するサイエンス・ライターとして、妥協なきグールドの健筆が際立つ粒ぞろいのエッセイ集。