これまで日本では、患者は常に医師の決定に従うものである、ということが無条件に受け容れられてきたが、英米に始まる「インフォームド・コンセント」は、医師と患者のこうした関係を、本質的に変化させようとしている。本書は、医療は患者に充分説明され、同意されてはじめて実施すべきである、というこの考え方が、どのように育まれてきたのかを概観し、わが国の医療の中で効果的に活用させる方法を提言しようとするものである。