世界各地の博物館で、高い天井からぶらさがり、終日揺れつづける大振り子。あれがなんのために造られたか、ご存じだろうか?実はほかならぬ地球が自転していることを、一目瞭然なかたちで証明するのがその目的だった。この、ガリレオを初めとする歴代の天才科学者たちが試みて果たせなかった証明を19世紀になしとげた、卓越した理論と巧みな技術とを合わせもった科学者が、本書の主人公レオン・フーコーであり、この大振り子は彼の名をとって、「フーコーの振り子」と称されている。彼の振り子がもたらした証明は、科学に決定的な勝利をもたらした、と言われるのだが、その勝利とはいったいどんなものだったのか。