将軍家光の異母弟として非運の生をうけながら、忠勤と民への慈愛に身をつくした、この稀有なる会津藩主。名利をもとめず、傲ることなく、「足るを知る」こそ君主の道としたその清しい生涯。指導者不在といわれて久しいこの混迷の世におくる、またとない書である。