アヘン作りの山々に囲まれた、タイ北部の小さな貧しい村。そこで少女カンティアは育った。13歳のとき、家出同然でバンコクへ出てきた少女はある日、スポーツ・スタジアムに現れた。そして、人のよさそうな管理人に言ってみた。「わたしは日本人です」。この瞬間から、カンティアの楽しい100日間がはじまった…。タイ国内を沸かせた愉快な事件の背後から、急激な日本化の波に揺らぐアジアの屈折した現実が貌をのぞかせてきた。