• Authorアダム・ラザフォード 垂水雄二 篠田謙一
  • Publisher文藝春秋
  • ISBN9784163907741
  • Publish Date2017年12月

ゲノムが語る人類全史

◆考古学ではわからなかった「世界史」の最先端◆



ヒトゲノム計画以降、急速な進化を遂げたDNA解読技術によって、

私たちは数万年前の人類のゲノムも抽出・分析できるようになった。

それにより、遺骨や遺跡の存在が不可欠だった従来の歴史学は一変。

ゲノムの痕跡を辿ることで、骨さえ見つかっていない太古の人類から

現在の私たちへと繋がる、祖先の知られざる物語が解き明かされた――



・ホモ・サピエンスはネアンデルタール人と何度も交配していた

・DNAにのみ痕跡を残す、知られざる「幻の人類」が発見された

・狩猟から農耕への移行を加速させたのは、二つの突然変異の出現だった

・現存する全人類の共通祖先は、わずか三五〇〇年前、アジアにいた

・ヨーロッパを二度襲ったペスト菌はどちらも中国からやってきた





【目次】



■序 章 人類の歴史はDNAに刻まれている

ヒトゲノム計画以降、急速な進化をとげているDNA解読技術によって、考古学

ではわからなかった祖先の物語が次々と明らかになっている。戦争、侵略、移動、

農耕、病、セックス……。本書は人類の旅路をゲノムで読み解く新たな歴史書だ。



〈第1部 人類の誕生から繁栄まで〉



■第一章 ネアンデルタール人との交配

四万年前のネアンデルタール人。その骨からDNAを抽出すると驚くべきことが

わかった。私たちの祖先は彼らと何度も交配し、子をなしていたのだ。だがそれ

だけではない。私たちのDNAには他にも、未知の人類集団の痕跡が残っている。



■第二章 農業革命と突然変異

長らく狩猟生活を送っていた人類は、一万年ほど前から突如として農耕・牧畜を

開始し、それは一気に世界中へとひろがった。そのきっかけは何だったのか?

実は、農業革命の時期には、ある二つの突然変異が人類のあいだに拡散していた。



■第三章 近親相姦の中世史

シェイクスピアの戯曲でも知られるリチャード三世。死後五〇〇年以上経って、

彼の遺体が駐車場の地下から発見された。だがそこから抽出されたDNAは、現

在生きている男系子孫のDNAとは一致しなかった。一体どういうことなのか?



〈第2部 世界はどこに向かうのか?〉



■第四章 人種が消滅する日

かつて遺伝学は、人種差別や優生学と繋がったこともある。しかし現在では、人

種間よりも人種内の方が、実は違いが大きいことがわかっている。突然変異に

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