近くの書店で在庫を調べる
  • 著者俵万智
  • 出版社文藝春秋
  • ISBN9784167909154
  • 発行2017年8月

オレがマリオ

新しい光に満ちた第五歌集。



「電信柱抜けそうなほど揺れていた」震度7とはそういうことか

空腹を訴える子と手をつなぐ百円あれどおにぎりあらず

子を連れて西へ西へと逃げてゆく愚かな母と言うならば言え



東日本大震災発生当時、東京にいた著者が仙台の家に帰れたのは、4日後だった。余震と原発事故が落ち着くまでと思い、翌朝息子の手をひいて、西へ向かう。



〓油さし買おうと思うこの部屋にもう少し長く住む予感して

第三者的には「軟禁」とも言える車を持たぬ離島の暮らし

「オレが今マリオなんだよ」島に来て子はゲーム機に触れなくなりぬ



紆余曲折ののち、沖縄の石垣島に住むことになった親子。豊かな自然、地域の人々との密な触れ合いは、様々な変化をもたらした。



愛、発見、出会い――。かけがえのない石垣島の日々から生まれた第五歌集。



解説・松村由利子(歌人)

>> 続きを表示