20世紀最大の文学者の一人であるジョイスの代表作『ユリシーズ』。このとてつもなく巨大で重層的な作品に作者は無数の謎をしかけた。なかでもダブリンの安酒場で滔々と語る「俺」とは誰か、この作品中最大の謎に緻密な論証により世界で初めて決定的な解答を与え、さらなる謎を快刀乱麻に読み解いて、文学的スリルと興奮の世界へ誘う。