「犯罪」という社会の病理を扱う法廷。その主役は被告人だけではない。弁護士、検察官、裁判官、そして傍聴人の、それぞれの役目と思いを帯びた人生が交錯する。"開かれた裁判所"をめざし、無心に傍聴席にすわりつづけて四半世紀。裁判傍聴業を自称する作家が、人間という摩訶不思議な存在に肉迫する法廷エッセイ。