永遠に続くかと思われる殺戮と破壊の大地、パレスチナ。その厳しい現実の中で、こどもたちは驚くほど豊かな表情を見せる。悲しみを胸に秘めた、溢れんばかりの笑い声が起こり、ここが戦場であることを束の間忘れさせる。そんな人間の勁さを写した貴重なドキュメントが、本書だ。国際政治の狭間で揺れ動く民族の中に分け入り、1968年から現在に至るまで撮影し続ける著者の、オマージュとなっている。