近代経済学はどのような価値観、社会像にもとづいて形成されたのか。ワルラス、シュンペーター、ケインズ、ヒックスらの描いたビジョンを検討するとともに、壮大な理論体系の構築をめざしたマルクス、ウェーバーらの思想をも根底から問い直す。現代社会の厳しい変貌を見すえつつ従来の通説にとらわれずに展開する、創見に満ちた経済学観。