私は、絵のジャンルや描き方がさまざまある中で、旅でスケッチすることほど面白いことは、ちょっと他にないのではないかと思い続けてきました。実際に三十年にわたって、世界のあちこちを旅しながら絵を描くことで人生の大半を過ごしてきてしまいました。今もそれを続け、からだが続くならばおそらく死ぬまでそうしていきたいと思っています。この本では、そうした私の旅スケッチの体験で得た方法を、できるだけ具体的に述べるよう努めました。